“クリニカルアート”という言葉をご存知ですか?別名、「臨床美術」とも言います。
アートを通して脳と心の活性化をおこない、認知症予防やメンタルヘルスケアを促す“医療”と“芸術”の組み合わせです。
アートによる刺激は予想外で、未知なる力を秘めているのです。
臨床美術(クリニカルアート)という療法
絵を書く、物を作るといった創作活動は脳を刺激し活発に動かしてくれます。
「創作活動が認知症予防になるのではないか?」と着目した彫刻家、故・金子健二氏が考案したのが“クリニカルアート“です。
自分で考え、創造するといった行動・思考はより脳を刺激し、認知症リスクを低下させるだけではなく、物忘れなどの認知症の症状を抑制する結果も得ることに成功したのです。
そして近年、クリニカルアートは認知症だけではなく“うつ病”や“発達障害”で悩む大人から子供にも効果のある療法として注目されています。
脳の活性化だけでなく、“心”の活性化もおこなえるのがクリニカルアートの魅力です。
クリニカルアートの特徴は「評価」ではなく「褒める」
アートというと「うまく描けたか」「上手に作れたか」など完成度合いの評価を気にしがちです。価値を見出そうと努力するのはもちろん大切なことですが臨床美術において、評価は必要ありません。
クリニカルアートに“正解”はないのです。人それぞれの創造力、個性を活かすのがクリニカルアートの特徴で、どんな作品も「褒める」ことで患者さんや創作者の“心”を豊かに、安心させるのが目的です。
大人でも子供でも「褒められる」ことで心の解放をすることができます。
自分自身を隠すことなく、そして褒められることで自分を表現することに自信をもつことができます。クリニカルアートによるメンタルヘルスケアは大きな影響を与えることができるのです。
自分に合ったクリニカルアートプログラム探し
クリニカルアートを取り組むチームはたくさんあります。それぞれ独自のプログラムを用意し、それに沿ったアートに挑戦していきます。
いきなり「絵を書いてください」と言われてしまっても困りますよね。プログラムは、しっかりとステップを踏んでいき最終的に作品を完成させていくのです。
絵が好き、彫刻が好き、油絵を描いてみたい、自分の作品を作りたい、その気持ちを活かせるクリニカルアートプログラムを選択しましょう。
まとめ:楽しみ、作りだし、そして認められることの嬉しさ
クリニカルアートの特徴は楽しみながら、自分の考えたものを作り出し、それを披露して認められることです。
気付かぬうちに脳と心を刺激し、そして解放することができる臨床美術(クリニカルアート)は、色々な悩みを抱えたひとの心の支えとなっています。
悩みを解消したいならば、クリニカルアートという新しい取り組みに挑戦してみるのも解決のひとつとなるかもしれません。