IT技術の発達を背景に激変する時代の中で、ビジネスエリートたちは、いち早く結果にコミットすることが求められています。
また、デザイン思考を経営に採り入れることによりイノベーションをつくり出すことにもなり、その結果、より良い将来の結果を得るための創造的な解決方法の一つとなっているからです。 このようにデザイン思考は、人間の創造性を発揮させる手段としても有用なのです。
さらに、ここでいう「デザイン」とは、モノをつくるためのデザインではなく、これまでになかったものを形にしていくデザインのことをいいます。 今後、IoT(Internet of Things)や AI(Artificial Intelligence)の進展により、時代の流れがさらに加速していくため、新たな仕組みを構築する人間の創造性がますます重要になるでしょう。
【デザイナー思考を経営に採り入れて成功した企業の3つの例】
1,米IBMでは、経営戦略的にデザイナーを増やすことで、変革に寛容な組織をつくり出し、所有しているAI(「ワトソン」)などのプラットフォームの価値を高め、顧客や人材を取り込むため、人のために働く体験をリデザインしようとしています。
2,独SAPでは「自社の未来を創造すること」から始め、全社員にデザイン思考のトレーニングを受けさせることにより、売上げを伸ばしてきました。また、ドイツ本社ではなく、シリコンバレーにイノベーションセンターを設置し、そこで生まれた新しい文化を本社にフィードバックしています。
3,セールスフォース・ドットコムではマネジメントとデザインを融合させて成果を上げています。たとえば、社内チームや顧客と共同で働くときに、最初にマインドセットをすることで、素早くプロトタイプをつくり出そうとする文化を生み出しました。これにより本格的なヒトの仕事の仕方を学ばせるのです。
このようにアートの世界から生まれたデザイン思考を産業界に採り入れることで、経営のイノベーションをつくり出しているため、経営戦略としても、デザイン思考は、今、世界中から注目されているのです。